不動産相続のトラブル事例 代償分割で解決編
相続した実家に住み続けたい。
「実家で母親の介護をしておりました。母親が亡くなった後、兄弟3人で実家を相続する予定ですが、兄弟から、実家を売却して現金を分けようと言われた。」
この事例は、相続でよくあるトラブルの例です。
同居していた次男が実家で母親を介護しており、母親が亡くなった後、実家を兄弟3人で相続することになりました。
しかし、他の兄弟は「実家は使わないので、売却して現金にしたい。」と主張。
話し合いは平行線をたどり、「実家を売却したいので、退去してほしい」とまで言われてしまった。
この状況で有効なのが、「代償分割(だいしょうぶんかつ)」という方法です。
これは、次男1人が実家を相続し、その代わりに他の兄弟に金銭などを支払い、公平を図る方法です。
今回の事例では、次男が実家を単独で取得し、他の2人の兄弟には不動産評価額に応じた現金を支払うことで合意に至りました。
次男は住み慣れた家にそのまま住み続けることができ、他の兄弟も現金で相続分を受け取ることができました。
●代償分割の注意点
・相続人間の話し合いと合意が必要になります。
不動産会社や不動産鑑定士の査定をもとに、公平な金額で相続分の金額を算出することが大切です。
・代償金を用意できるかどうかも重要。
自己資金での支払いが難しい場合は、金融機関から借り入れしたり、分割払いで対応する場合もあります。
代償分割は、実家に住み続けたい相続人と、金銭での清算を希望する他の相続人の双方にとって現実的な解決策です。
ただ、「自分が親の介護をしていたのに」など、感情的な対立や資金面の問題でスムーズに進まないこともあります。
だからこそ、相続が発生する前に家族で話し合い、必要であれば遺言書の作成や専門家のアドバイスを受けることが望ましいです。
長くなりましたが、代償分割という選択肢を知っておくだけでも、相続後の大きなトラブルを防ぐことができます。
地元で40年以上営業しているグレイス不動産では、相続の相談も承ります。
状況によっては、提携している弁護士、司法書士と連携して業務に励みますので、大きなトラブルになる前に、ご相談いただければと思います。
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